第18回 方陣算 の教え方

正方形にならべる問題を、実際のモノと図で攻略しよう

📋 この単元の概要

方陣算とは、おはじきやコインなどを正方形の形にならべたときに、「全部で何個あるか」「1辺に何個ならんでいるか」を求める問題です。中学受験でもよく出題される重要なテーマであり、規則性を見つける力や図形的な思考力を養うことができます。

方陣には大きく分けて2つの種類があります。1つは「中実方陣(なかみ方陣)」で、正方形の内側まですべて詰めてならべるタイプです。もう1つは「中空方陣(がいわく方陣)」で、正方形の外側の枠だけにならべるタイプです。それぞれ求め方がちがうため、問題文をよく読んでどちらのタイプか判断することが大切です。

中実方陣の全体の個数は「1辺の個数 × 1辺の個数」で求められます。中空方陣の場合は、外枠だけの個数を求める公式「(1辺の個数 − 1)× 4」を使います。いずれの場合も、まず図を描いて考えることが正解への近道です。

📌 ポイント

方陣算は「図を描く」ことが最も重要です。頭の中だけで考えようとすると、角の数え間違いなどのミスが起きやすくなります。必ず図を描いてからきまりを見つけましょう。

⚠️ つまずきやすいポイント

角(コーナー)を2回数えてしまう:中空方陣で最もよくあるミスです。正方形の枠にならべたときに、「上の辺で5個、右の辺で5個、下の辺で5個、左の辺で5個」と数えて「5×4=20個」と答えてしまいます。しかし、角の4個はそれぞれ2つの辺に属しているため、二重に数えていることになります。正しくは(5−1)×4=16個です。

外枠の個数と全体の個数を混同する:「1辺に5個ならんでいる方陣の個数は?」と聞かれたとき、中実方陣なら5×5=25個、中空方陣なら(5−1)×4=16個と、問題のタイプによって答えがちがいます。問題文が「全部つめてならべた」のか「外がわだけにならべた」のかを正確に読み取る力が必要です。

図を描かずに計算だけで解こうとする:方陣算は公式を覚えるだけでは正確に解けません。特に応用問題(二重の方陣、L字型にならべるなど)では、図を描かないと状況が正しく把握できません。「めんどうだから」と図を省略するお子さまには、「図を描くことが一番の近道」と伝えてあげてください。

⚠️ 注意

角の二重カウントは、テストで最も失点しやすいポイントです。「角は2つの辺にまたがっている」ことを、図に色を塗って確認する習慣をつけましょう。赤と青のペンで2辺を塗り分けると、角が重なっていることが一目でわかります。

🎯 教え方のコツ

実際のモノ(コイン・ブロック)を使って正方形を作りましょう:まずは10円玉やおはじき、ブロックなどを使って、実際に正方形の形にならべてみましょう。「1辺に4個ならべると、全部で何個いる?」を手を動かして確認します。中実方陣なら4×4=16個、中空方陣なら(4−1)×4=12個であることを、自分の目で確かめることが大切です。

必ず図を描いてから考える習慣をつけましょう:方陣算では、問題を読んだらまず図を描くことを鉄則にしてください。ノートにマス目を描き、ならべ方を○印で表します。角に当たる○には色をつけるなど、工夫すると数え間違いが減ります。特に中空方陣では、「外枠だけ」を目立たせるために内側を×印にすると分かりやすくなります。

きまり(パターン)を見つけさせましょう:1辺が2個、3個、4個、5個…の方陣をそれぞれ作って、全体の個数を表にまとめてみましょう。中実方陣は「4、9、16、25…」(平方数)になること、中空方陣は「4、8、12、16…」(4の倍数)になることが見えてきます。このパターンを自分で発見できると、公式の意味がストンと理解できます。

💡 コツ

中空方陣の公式「(1辺の個数−1)×4」を教えるときは、まず正方形の1辺から「角を1つ除いた分」を考えさせましょう。4辺分あるから×4です。図を描いて「なぜ−1するのか」を目で見て納得させるのがポイントです。

ステップ1:コインやブロックで実際に正方形をならべて、個数を数える
ステップ2:ノートに図を描き、中実方陣と中空方陣のちがいを確認する
ステップ3:1辺の個数を変えて表を作り、きまり(パターン)を見つける
ステップ4:公式を使って計算し、図で答え合わせをする

💬 家庭での声かけ例

「1つの辺に何個ならんでいる?」――方陣算の基本は「1辺の個数」を正確に数えることです。問題文から1辺の個数を読み取れているか、図を描いて正しく把握できているか確認しましょう。お子さまが「全部で何個」と1辺の個数を混同している場合は、図を指差しながら「この辺だけに何個ある?」と聞いてあげてください。

「角のところ、数え忘れてない?数えすぎてない?」――中空方陣の問題で最も重要な声かけです。角を2回数えていないか、または数え忘れていないかを確認させましょう。「角のコインに色をつけてごらん」と言って、角が2つの辺に属していることを視覚的に確認させるとよいでしょう。

「まず図を描いてみよう」――方陣算に限らず、図形や規則性の問題ではとにかく図を描くことが大切です。「頭のなかで想像するだけだと間違いやすいよ。描いてみると見えてくるものがあるよ」と伝えましょう。図を描くことに慣れると、他の文章題でも図解する力がつきます。

声かけの例(一緒に問題を解くとき):

親「1辺に6個ならべた中空方陣は、全部で何個かな?まず図を描いてみよう。」

子「(図を描きながら)上に6個、右に6個、下に6個、左に6個で…24個?」

親「角のところ、よく見てごらん。右上の角は上の辺にも右の辺にも入ってるよね?」

子「あ、角を2回数えちゃってる!角は4つあるから…24−4=20個だ!」

親「すばらしい!(5−1)×4=20でも同じ答えになるか、確かめてみよう。」