第2回 割り算の基本 の教え方

「分ける」と「何人分」の2つの意味から、割り算を理解させましょう

📋 この単元の概要

割り算は3年生で初めて学ぶ演算です。この単元では、割り算の意味を「等分除(同じ数ずつ分ける)」と「包含除(何人分あるか)」の2つの側面から学びます。

割り算はかけ算の逆の演算であることを理解し、九九を使って答えを求める方法を身につけます。3年生の算数のなかでも特に重要な単元であり、ここでの理解が今後の算数学習全体に影響します。

📌 ポイント

この単元で身につけたい力は3つあります。

  • 割り算の意味理解:「等しく分ける」「何個分あるか」の2つの考え方を使い分ける力
  • 九九との関連:割り算の答えを九九を使って求める力
  • 式の立て方:文章題を読んで正しく割り算の式を立てる力

割り算は「新しい記号(÷)」が登場するため、お子さまにとって少しハードルが高く感じることがあります。しかし、かけ算との関係がわかれば、九九の知識でスムーズに学べます。

⚠️ つまずきやすいポイント

1. 等分除と包含除の区別がつかない

「12個を3人で分ける(等分除)」と「12個を3個ずつ分ける(包含除)」は、どちらも12÷3=4ですが、答えの意味が違います。前者は「1人4個」、後者は「4人分」です。この違いを理解せずに計算だけしていると、文章題で答えの単位を間違えます。

⚠️ 注意

「割り算=分ける」とだけ教えると、包含除の場面で混乱します。「同じ数ずつ分けるとき」と「いくつ分あるか調べるとき」の両方で割り算を使うことを伝えましょう。

2. かけ算との関係がつかめない

「12÷3=?」を考えるとき、「3×□=12 だから □=4」という逆思考ができないお子さまがいます。割り算を全く新しい計算として捉えてしまい、九九を活用できない状態です。

3. 割り算の式の順序を間違える

「12個を3人で分ける」のとき「3÷12」と書いてしまうお子さまがいます。「全体の数÷分ける数」という順番がまだ定着していないためです。

📌 ポイント

「もとの全体の数が先」ということを、「大きい数÷小さい数」ではなく「分けられるもの÷分ける数」として教えましょう。

🎯 教え方のコツ

1. 具体物で実際に分ける体験をさせる

あめやおはじきなど、実際に手で分けられるものを使いましょう。「12個のあめを3人に同じ数ずつ配ってみよう」と実際に1個ずつ配る経験を通して、割り算の意味が身体で理解できます。

実際に分ける活動例

あめ12個と紙皿3枚を用意します。

「1人に1個ずつ配ろう」→ 3個配って残り9個

「もう1回配ろう」→ 3個配って残り6個

「まだある?続けよう」→ 全部配り終わったら、1人何個か数える

「1人4個になったね! 12÷3=4 と書くんだよ」

2. かけ算九九の逆として教える

割り算は新しい計算ではなく、「かけ算の答えから元の数を見つける計算」であることを伝えましょう。

💡 コツ

「3×4=12 がわかっているから、12÷3=4 もわかるね!九九が使えるよ」と、かけ算との橋渡しをしましょう。九九表を見ながら割り算を解く練習も効果的です。

3. 2種類の割り算を両方体験させる

等分除:「15枚のカードを5人で分ける。1人何枚?」→ 実際に配る
包含除:「15枚のカードを3枚ずつ配る。何人に配れる?」→ 3枚ずつ束を作る
両方とも15÷3=5 や 15÷5=3 で求められることを確認する
「どちらも割り算で解けるね」とまとめる

4. 「割り算」という言葉に慣れる

日常会話のなかで「割り算的な場面」を意識して声をかけましょう。「クッキー20枚を4人で割ると?」など、自然に割り算の言葉を使うことで、お子さまの抵抗感が減ります。

💬 家庭での声かけ例

割り算に初めて取り組むとき

💡 コツ
  • 「割り算って、かけ算のぎゃくなんだよ。かけ算得意だから大丈夫!」
  • 「12個のあめを3人で分けたら、1人何個かな?まず配ってみよう」
  • 「3のだんの九九で12になるのは?そう、3×4=12!だから12÷3=4だね」

式が立てられないとき

声かけ例
  • 「全部でいくつあるの?それを何で分けるの?」→ 式の順番を確認させる
  • 「もし2人だけだったら分けられる?」→ 小さい数で考えさせる
  • 「絵に描いてみよう。何がいくつある?」→ 状況を視覚化させる

日常生活での活用

💡 コツ
  • 「ピザを8等分したよ。4人で食べたら1人何切れ?」
  • 「このお菓子24個入り。家族3人で分けたら?」
  • 「100円で25円のガムが何個買える?」
⚠️ 注意

割り算でつまずいたとき、「かけ算の九九を覚え直しなさい」と言うのは逆効果です。九九は覚えていても、それを割り算に結びつける練習が足りていないだけです。「九九を使って答えを見つける方法」を一緒に練習しましょう。